今夏の参院選に自民党公認で出馬する渡辺美樹氏が会長を務めるワタミグループの介護事業で、複数の死亡事故が発生し、遺族とトラブルになっていることが週刊文春の取材でわかった。
2006年、レストヴィラ元住吉で87歳の男性の容態が急変し、5日後に死亡。死亡直前、家族が渡辺氏とワタミ本社で話し合ったところ、渡辺氏は「1億欲しいのか」と言い放ったという。その後、遺族はワタミを提訴。昨年、横浜地裁はワタミの過失を認め、約2160万円の支払いを命じている。男性の家族は「渡辺さんのあの一言は精神的に大きなダメージになり、いまでも忘れることができません」と話している。
また、昨年2月には板橋区にあるレストヴィラ赤塚で74歳の女性が入浴中に溺死。直後、ワタミは遺族に「10分間、目を離した間に心肺停止になった。病死の可能性が高い」と報告したが、警視庁高島平署が施設内の防犯カメラを押収して調べたところ、ワタミの説明が虚偽と判明。警視庁は、業務上過失致死容疑で捜査をしている。
ワタミと渡辺氏の事務所に取材を申し込んだところ、ワタミから回答があり、渡辺氏の発言について「そのような発言をした事実はない」と否定した。
渡辺氏とワタミには、社員の過労自殺問題や、『365日24時間死ぬまで働け。(中略)時代とはマッチしない言葉だが、10年後も20年後もこの言葉が飛び交う「ワタミ」でありたい』と社員に呼びかけるなどし、「ブラック企業」との批判がある。
さらに、介護事業を巡る問題が明らかになったことで、渡辺氏が増大する社会保障費の配分や政策実行に大きな影響力を行使できる与党・自民党の国会議員にふさわしいのか、改めて論議を呼びそうだ。
(週刊文春2013年6月20日号「スクープ速報」より)
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