1月17日、日本文学振興会が主催する第146回芥川賞・直木賞の選考会が開催され、芥川賞に、円城塔さんの「道化師の蝶」（『群像』2011年7月号）、田中慎弥さんの「共喰い」（『すばる』2011年10月号）が、直木賞に葉室麟さんの「蜩ノ記」（祥伝社）が選ばれた。
同日夜に開催された会見で話題を呼んだのは、5度目のノミネートで受賞となった田中慎弥さん。山口県下関市で執筆活動に携わる同氏は、4歳で父親を亡くし、今も母親と2人で暮らしている。アルバイトも含め一度も職に就いたことがなく、20歳のころから小説を書き続けているという。
その表情に笑みはなく、けだるげに報道陣からの質問に答える田中氏。以下では田中氏への質疑応答をお届けしよう。なお、予備知識として、芥川賞の選考委員に東京都の石原慎太郎知事が名を連ねていること、今回芥川賞にノミネートされた作品について石原氏が「バカみたいな作品ばっかりだ」と発言したことなどを踏まえておくと以下の田中氏の発言の意図も少なからず理解できるだろう。
―― まず今のお気持ちを一言。
田中 確か、（米女優の）シャーリー・マクレーンだったと思いますが、何度もアカデミー賞の候補になって、最後に（賞を）もらったときに、『私がもらって当然だと思う』って言ってたそうですが、まぁだいたいそういう感じです」
4回も落っことされた後ですから、ここらで断ってやるのが礼儀といえば礼儀ですが、私は礼儀を知らないので。もし断ったって聞いて、気の小さい選考委員が倒れたりなんかしたら都政が混乱しますんで、都知事閣下と都民各位のために、もらっといてやる、です。とっとと終わりましょうよ。
―― 今回は受賞された方は地方在住の作家の受賞が目立つが。
田中 そのことに関しては、感想はありません。
―― ほかの受賞作については？
田中 ちょっと読んでないので分かりません。
―― 5度目のノミネートで受賞したことについて。
田中 1回目で受賞するのが一番いいんで。5回目っていうのはまぬけです。もうやめましょうよ。
―― 田中さんは「自分は働いたことがない、働いたら負けだ」と以前話していましたが、いま仕事の見つからないニートの方に一言あれば。
田中 人によって状況が違うので私が言えることはありません。私は本を読んで小説を書いて、作家になったというだけです。
―― 田中さんは携帯をお持ちでなかったと思うのですが、今日はどちらでどのような形で受賞の報を受けたのでしょうか。
田中 都内の飲み屋で待っていました。プリぺイド方式の携帯？ みたいなのを編集者が持ってきて、（受賞の報を）受けました。
―― どなたかに受賞を知らせましたか
田中 母です。
―― お母さまは何と？
田中 『良かったね、おめでとう』というだけです。
―― 文学振興会から受賞の報を受けたとき、どのように返事したのですか？
田中 ちょうだいします、と言うだけです。
―― 受賞を受けて、心境の変化はありますか。
田中 気持ちの変化はありません。私は意欲はありません。
―― 下関という生まれ育った街への思いを教えてください。
田中 非常に乾いた街です。
―― 受賞によって下関を離れるとか、書くスタイルは変わりませんか。
田中 今までどおりです。
―― 第一声でシャーリー・マクレーンと同じく受賞は「当然だ」ということですが、当然とは？
田中 いや、思いはなくて当然だから当然。
―― 選考委員の石原慎太郎氏に一言。
田中 だから、今なんか、おじいちゃん新党作ろうとしてるんでしょ。新党結成に向けていそしんでいただければと思います。
―― 地元の恩師の方からもお祝いの声が寄せられています。
田中 それは嘘ですね、私は教師に嫌われてましたから。それは本当の嘘です。
―― 昨日より不機嫌なのはなぜ？
田中 とにかくやめましょうよ。（同じく芥川賞を受賞した）円城さんがものすごく丁寧に答えてらっしゃったんで、自分はそういう風にはできないなと思ってただ不機嫌にやってるだけです。
―― 今日はお酒は飲んできたんですか？
田中 ワイン2杯くらいです。
―― 機嫌が悪いとすれば何が。
田中 （報道陣に手を広げて）だから、これが。
―― 機嫌が悪いというのは、たくさんの人の前で話すのは苦手だとかそういうことでしょうか。
田中 こういう場が好きな人間はいないでしょう。政治家じゃないんだから。
―― 最近講演をなさる機会も増えてらっしゃるそうですが。
田中 それは、ギャラが出るんで。
終始不機嫌なままだった田中さん。歯に衣着せぬ言動で報道陣からは笑いが起こる場面もあった。なお、石原慎太郎東京都知事は、「自分の人生にとって意味合いもない」として、今回で選考委員を退く意向を示している。
ITmedia eBook USER 1月18日(水)16時21分配信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120118-00000062-it_ebook-sci
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=E6cSNDAqJvA
sya*****
39歳の男性としては幼稚かな。
狭い世界で生きてきた人がどんな文章で
選考委員のハートを掴んだのか興味があります。
rub*****
父親がいない家庭で一度も仕事をせず
39まで母親に生活見てもらってずっ---と小説しか書かなくていいんだったら
芥川賞ぐらいとれないとおかしいよねw
都知事もおかしいけど、こんな生活してた人から
学ぶことないよ。
leg*****
感情的になるのは分かるけどさ、いくらなんでも厨坊臭い。全然かっこ良くないよｗｗｗ
kat*****
記者会見を見たが、彼の受賞作はおろか、彼の過去の作品についての質問などまるでなく、下らない質問ばかりだった。誰も彼の小説など読んだことがないのにも関わらず記者会見に臨んでいるのだ。明らかに各紙、テレビ局の文芸担当記者の質は劣化している。彼がやる気がなくなるわけだ。
hig*****
でも、最近の芥川賞は読む気すらおこらないのも事実だよな。
なんでだろうね。
sou*****
記事だけ読むとすごく横柄な感じで悪い印象を受けたんだけど、
実際の記者会見の映像を見ると特別横柄な態度ではなかったし
そこまで悪い印象は受けなかったけどね。
会場の雰囲気が悪くなったわけでもないし。
書き方一つで印象がガラリと変わる記事の怖さを感じた。
min*****
なるほどね。石原都知事とのことを知らなかったら、この人のことを『生意気な奴(あんた何様！？)』としか、思わなかったよ。
xxx*****
昔あるアニメで
「20年かければバカでも傑作小説が書ける」
って台詞あったけどまさにそうなんだろうな
でも母親に負担かけすぎだろ…せめてバイトしながら書けよ
親不孝にしか見えないわ
あと都民として 嫌々もらってくれなくても結構だ
nep*****
作家はインタビューで答えるときも演出するだろうから、別にこれはこれでいいのではなかろうか？
批判するほどのことでもない。
誰にも迷惑はかからない。
だいたい今の芥川賞作品なんか読む気にならないし。
いつから芥川賞ってこんなに権威のないどうでもいい賞になってしまったのだろう。
乱発しすぎなんではなかろうか？
mii*****
まぁ言いたい事は分からないでもないが
大人の対応とは思えないな。格好が悪すぎる。
結局は受賞してるわけだし。
不機嫌であっても受け取るって結局先を（印税等）を見越して受けたわけでしょ。
むしろ５回目の受賞を辞退する方が格好良かったかもな。
ちゃんと理由を付けてだけどね。
har*****
石原の馬鹿が「いつか若いやつが出てきて、足をすくわれる戦慄を期待していたが、刺激にならない。自分の人生にとって意味合いもない」とか言って選考委員を辞任するとかほざくからこんな返答になるんだよ！
1995年から17年もやっといて過去の芥川賞受賞者も侮辱する石原が信じられん！！
kei*****
面白い会見じゃないか。
石原知事もコレ聞いて、飲みに連れて行く位懐が広かったら良かったんだけどね。
まぁ期待するだけ無駄かｗ
fbw*****
作品が面白ければ売れるし面白くなければ売れない。
作者がどういう人間なんて関係ない。
作家なんか変人だらけ。一般人の感性の人は面白い小説なんか書けないでしょうから。
この人がこういうキャラで特に問題はないとおもいます。
zyu*****
きもちわるい、
pxa*****
マスコミ相手にいい度胸。おもしろい。
周りを気にして優等生的発言しかしない人が多い中いいと思います。これからも貫いてください。
u26*****
抜群の自己アピールになったね。
相手が石原都知事というのも悪くない。
まあ、受賞を辞退しなかったことがすべてを物語っているけど。
cha*****
直木賞以下、
エンタメ系の文学賞受賞者では
とてもとても
田中慎弥並の悪態は吐けない。
石原慎太郎に限らず、
受賞作や候補作に非難がましいことを言って、
選考委員を辞するのは
芥川賞のひとつの習わしでもあるので、
辞めたがっていた石原慎太郎にとっても
渡りに舟だったはずだ。
そして他の選考委員も大喜びだろうよ。
たった二杯のワインに力を借りて
石原慎太郎に
引導を渡した田中慎弥は
褒められてもいいんじゃなかろうか。
いい宣伝にもなったことだし、
「共喰い」はきっと評判になることだろう。
しかし、田中慎弥の真の評価は
よく言われるように、
芥川賞受賞後の次回作で決まるはずだ。
期待したいと思う。
元祖ニートにも
それなりの意地は絶対ある。
yos*****
慎太郎も大した本出していないのだから、辞めてちょうどいいでしょう。知事の仕事は週３日でて、あとは自宅で本書いているて言っていたけど、芥川賞受賞できる本書いているのかな。書けないなら作家もやめたら。
tuj*****
ここのコメント見てると、ブラックユーモアを解さない人があまりに多いことに「戦慄する」
h_a*****
人それぞれの意見はあるでしょう・・・
ただ人としての敬意を持つことは大事です
何でも面白おかしくすれば良いってもんではない
Ps,下関は暖かい街です。
nir*****
いいねこの人
みんな良い人になる必要ない
変人 生意気 いいんだよ
oro*****
＞父親がいない家庭で一度も仕事をせず
＞39まで母親に生活見てもらってずっ---と小説しか書かなくていいんだったら
＞芥川賞ぐらいとれないとおかしいよねw
そんな生活送っても、賞どころか出版すらできない人間のほうが
圧倒的に多いですけどね。
pow*****
まぁ田中さんの受け答えはともかくとして、彼の思いはなんとなくだが伝わってきた。確かに年相応の態度ではないと客観的には思うけど、石原慎太郎の本を読んでから、彼の受け答えを読み返すと「あっぱれ」と言いたいね。
だって、石原慎太郎の本なんて三流以下なんだから。切り口が痛快で彼が執筆してた時代にマッチしてただけ。もし大した本を書いてたら今もたくさん本屋に彼の作品が並んでるはずだよ(笑)
そんな本しか書けない奴が芥川賞・直木賞のノミネート作品に対して罵詈雑言を並べたてるから、彼も言わなくてもいいことまで言っただけ。
石原慎太郎なんて、その程度の俗された輩ってことさ。
slu*****
おもしろがって今後TVに呼ぶとかやめて下さい、TV局のみなさん。
vin*****
ある意味で言葉遊びができる粋な男
ある意味で世間知らない温室男
pou*****
まぁ、こういう偏った方が得てして面白いわけで
金太郎飴的人間ではない貴方の作品は読んでみたい。
今後も体を壊さぬ程度に突っ張っていてください。
お母様、おめでとう！！
ooi*****
この男、母親がどれだけ苦労しているのが
わかっているのだろうか、影で泣いているのが
見えるようだ、印税がどれだけ入ってくるのか
わからないが、親孝行しろよ！！
are*****
友人としても異性としても、絶対に付き合いたくないタイプ。
読む気はしない。
kou*****
嫌なヤツが賞をとってもいいと思う。
大人がみんなちゃんとしてるなんて
それこそ噓くさい。
友達にはなりたくないけど。
jup*****
不器用な人間ほど大成するとはよく言ったもんだ。
彼を作家とは思っていないとは、痛烈な皮肉だネ。
爺さんに媚るようなら先はなし。
ryo*****
極めて痛快です。報道陣の質問はいつもの通り、実に下らない内容ばかり。多分、彼の演出に皆が乗せられたということでしょう。いや、報道陣を手玉に取るって本当に痛快ですね。もっと気が利いた質問できないものでしょうか。いやー愉快、愉快。
led*****
社交性は皆無みたいだけど、これだけ表裏の無い発言をする人は嫌いじゃない。
ftt*****
受賞した途端に、親戚や友人が増えるという話を良く聞くが、そういったことにも田中氏は辟易しているのだろう。
昔の担当教師への痛烈な一言は、恐らく真実だろう。
優等生的な発言が出来ないからと言って、その人の作品が駄作とは限らない。
むしろ毒舌を吐く人の中に、天才と呼ばれる人が居ることもあるので、田中氏がどの程度の作家なのか、今後見届けてみたい気がする。
ysk*****
色々批判あるけど映像で見ると面白い。
一般社会では通用しないけど、独特な世界の人だし俺はかえって交換が持てた。
tos*****
時折見せる狂気を秘めた異常な目つきがこの男の持つポテンシャルを感じさせるんだよね
xny*****
作家なんて変わり者が多いんじゃないのかなぁ。
個性的で良いじゃないですかぁ。
oth*****
会見自体はなかなかユーモアがある人に見えた。ただこの記事に書かれていることをそのまま受け取ってしまうと、性格悪そうに捉えてしまうかも。
has*****
辞退すればいい。
手垢、世俗にまみれた人が読者なんだから。
ご自身の崇高な芸術を汚さないためにも、
もらっとくと言う位なら、発表しなければ良い。
crd*****
こういう人だから今後もスタンスは変わらんでしょうしこれはこれでいいのかな、とは思うが芥川賞を取ったことで得る利益をお母さんに全て捧げて欲しいな。
meg*****
新潮新人賞 川端康成文学賞 三島由紀夫賞 を芥川賞以前に取っていますね。
もう著作だけで食べていけてます。
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