
週刊文春2010年12月30日・2011年1月6日 新年特大号の市川團十郎が語っていた「海老蔵への戒め、役者の覚悟」の記事の挿入記事
「浅利慶太 緊急発言 「未成熟な人間に歌舞伎は任せられない」」
私の大叔父は二代目の市川左團次です。幼少の頃、その家で暮らしていた時期もあります。父もかつて松竹の幹部でした。また、私は二十歳の時に劇団四季を創設し、今年で五十七年の演劇生活を送っています。ですから、歌舞伎の世界についての知識も充分持っています。
今回の事件は、私の歌舞伎界に対する認識を改めなければならないほどの、大変非常識な出来事でした。そして、その馬鹿馬鹿しさには呆れる他ありません。また当事者は、俳優にとって「顔の怪我」がどういう意味を持っているのか、解っているのでしょうか。
市川團十郎さんの家柄は、歌舞伎界の「宗家」です。とすれば、海老蔵君の立場は「皇太子」でしょう。歌舞伎界の皇太子が、あのような行動を取るとは全くもって言語道断。謹慎などという中途半端な処分で許されるはずがありません。
歌舞伎界は、この際、門閥による俳優の構成を再考したらどうでしょう。その時代の最も優れた俳優に「團十郎」、そして最も優れた若き才能に「海老蔵」という名を与えるようにする。
家柄、門閥に甘え、社会人としては未成熟な人間に、日本民族の誇りである歌舞伎という伝統芸術を任せるわけにはいきません。
歌舞伎界が、そのあり方を再考しなければならないほどの、非常に大きな事件だと思います。
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