
(セ・パ交流戦、阪神4-7楽天、1回戦、楽天1勝、28日、甲子園)勝てる試合をブチ壊しやないか!! 阪神は1点リードの九回、和田豊監督(50)が、すでに今季5度も救援に失敗している抑えの久保康友投手(32)を投入。楽天相手に逆転負けを喫した。勝てば首位巨人に0・5ゲーム差と肉薄した好機を逸し、懲りないさい配で、懲りない敗戦だ。
【写真で見る】勝ち越し打浴び、ぼう然と打球を見る久保 なんで、こうなるんや! 勝利を確信していた虎党の怒りと反発は凄まじかった。甲子園に響いた怒号の嵐。「なにやっとんじゃ!」「しっかり投げんかい!」。九回、罵声を浴びながらベンチへと下がった久保は、ぼう然と虚空を仰ぐばかり。またもの背信登板で逆転負け。“名ばかり守護神”をなぜ使い続けるのか? 厳しい声の矛先は、和田監督にも向く。
「ボールが高いのもそうだが(スピード)ガンは出ているのに、芯でとらえられている。(久保に一度考える時間が必要かの問いに)送り出した俺の責任だから。しっかりがんばってもらわないと」
1点を勝ち越した直後の九回。嫌な予感が漂った。それほど今の久保が信頼感を失っている。この試合前まで18試合に登板し、逆転や同点に追いつかれるなど救援に失敗したケースは5度。その心配の種が最悪の形で芽吹いた。
一死から銀次に左前打を許すと、松井に右翼線への適時二塁打を浴び、同点とされた。さらに、代打・島内には左中間を真っ二つに割られ、決勝点を献上。抑え転向後、初の途中降板となった。代わった筒井も聖沢に2点本塁打を浴び、久保は計3失点。肩を落としながら言葉を絞り出した。
「ダメですね。何度もやられて申し訳ない。いい流れを作ってくれているのに…」
絶対的守護神だった藤川球児投手(現カブス)のメジャー挑戦により、空いた穴に据えたのが背番号34だった。開幕当初こそ安定した投球をみせていたが、4月末から4戦連続で失点するなど“不適性”ぶりが顕著に。自信喪失気味の右腕はボールを置きにいくような投球に見えるが、懲りない起用で連勝は3でストップだ。
安藤、福原、加藤…。配置転換の策はなかったか。鉄平、銀次とイニングの先頭から左打者が続くことから筒井を先に送り出す手はなかったか。首位・巨人はソフトバンクに敗戦。勝てば、0・5差まで肉薄できただけに悔みきれない1敗だ。
試合後、通常より長いコーチ会議を終えた中西投手コーチは、配置転換に関して「ない。やってもらわないとアカン。あしたも試合がある。結果が出れば変わる」と否定したが…。
19試合で13失点、防御率4・64の右腕。今季はすでに49試合を消化したが、もう“不慣れ”では済まされない。懲りない起用をまだ続けるのか。最速159キロの新助っ人右腕、ボイヤー(前ロイヤルズ傘下3A)も加入した。巨人の背中が見えている今のうちに、手立てを講じなければ、文字通り“心中”ということになりかねない。
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